平成10年11月、東京に住む義妹から電話があり、弟(47歳)が肺ガンであることを知らされました。4センチ大の腫瘍が1個と、ほかに小さいのがたくさんあるとのことでした。
翌月に摘出手術を試みたものの、広範囲にわたる浸潤が見られ、結局、処置不可能で打ち切り。「余命半年」の宣告を受け、医者からサジを投げられたような格好でした。
「痛くて夜眠れない」と、病院から痛み止めや咳止め・睡眠薬などをもらって飲んでいたようですが、私が見舞いに行くと、いつも胸から背中にかけて重苦しいと嘆いていました。何かいい方法はないかと聞かれ、私も同僚などからいろいろと情報を集めたのですが、名の知れた健康食品はあまりパッとしないというのが大方の意見。それで、会社近くの本屋にたびたび足を運んで関連書を調べていたところ、たまたま新刊書で出ていた「メシマコブ」の本を見つけたのです。初めて聞く名前でしたが、何かこれまでとは違う印象を受け、さっそく業者に注文して品物を取り寄せました。
弟には、痛み止めや睡眠薬など飲まずに、これを飲めと言って渡しました。
そうやって何とか年末から年明けにかけて持ちこたえたのですが、2月初めの検査段階では腹水がなくなったとはいえ、大きいほうの腫瘍に変化はなく、小さいのがやや減っているという具合でした。私の頭には余命のことばかりあり、弟の病室の前に立つたびにハラハラドキドキ。「ああ、今日も生きていてくれた」と胸をなげおろしてから弟のベットに近づいていくのがお決まりのパターンになっていました。
そうこうして余命期限を乗り切った今年の6月、まだ少し眠れないといった自覚症状はあるものの、医者の話では、大きいほうの腫瘍は2センチに縮小、小さいほうはほとんどわからないくらい消えてしまったのこと。私はともかく、義妹の喜びようは大変なものでした。弟の顔からも、最近は笑みがこぼれるようになり、体調がよくなってきているのだなと感じています。
予断は許されないながら、もう少し精神的にも肉体的にも楽にさせてやりたいと思い、「メシマ」を病院にせっせと運んでいる次第です。
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