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                メシマコブネットワーク
                健康マガジン No.4

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 第4回目は「アロマセラピー」についてお送りします。

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アロマセラピーとは?

 "アロマセラピー"という言葉は少し前から身近になっています。
しかし、実際香りで何かするの? 香水とは違うの? ハーブティ
ーとか飲むの? 等々正しく理解して頂いていないのが現実です。
 ハーブから蒸留法や圧搾法で抽出したエッセンシャルオイル(精
油)の中に含まれる芳香成分、薬効成分を様々な方法で心身に作用
させる"アロマセラピー"・・・。
 1920年、フランスの化学者ガットフォセが実験中火傷を負い、あ
わてて水の代わりにそばにあったラベンダー精油で患部を流したと
ころ、火傷があとを残さず完治した事から「アロマセラピー」とい
う言葉が世に出ました。1928年、彼の研究成果は「芳香療法」とし
て人々の関心を得て、その後医学博士ジャン・パルネが治療に用い
るようになりアロマセラピーのベースが作られていきました。
 日本では雑貨として精油が輸入されているため、海外の様に医薬
品として使用することはできません。また、多くのメーカーが精油
を販売しているので代替医療として、医療現場で医療従事者が責任
をもって使用できるという精油は、成分表示が明確な物でないとお
勧めできませんので、精油選びも大変重要です。
 現在は、現代医療や漢方治療の補助的な存在でしかありませんが、
素晴らしい科学の進歩とならんで「自然志向」が見直される今、東
洋の"漢方医学"と西洋の"アロマセラピー"、この二つの良い面をう
まく取り入れる事が出来れば・・・。その試みは、いろいろな所で
始まっています。

アロマセラピーで夜もぐっすり

 先日、高齢の患者さんが大腸ガンで手術をうけ人工肛門をつけ退
院されてきました。でも自分の身体に新しく起きた変化に馴染めず、
夜も眠れず気分はどんどん落ち込んでいかれました。もちろん、睡
眠剤の投与もされていますが、往診に行くとそれまで心筋梗塞や食
道ガンという大病も乗り越え、元気に曾孫さんと遊んでいらした面
影がなく自分でもどうしていいのか・・・。
夜間眠れず不安になっては家族に背中をさすって貰ったりで、家族
も疲れ果てておられました。そこで病院からの内服はそのままで、
漢方薬の内服を追加し、心療内科的なカウンセリングを併用。そし
て劇的に彼女の不眠に効果があったのは、寝る前のラベンダーの足
浴でした。家族が用意してくれる大きなバケツの温かいお湯にオイ
ルを数滴たらし、足をつけながらゆっくり深呼吸していると、足か
らぽかぽか暖まり、そのままウトウトしてしまうそうです。
鎮静作用、抗うつ作用、催眠作用のあるラベンダーの精油をたっぷ
り含んだ蒸気の効果で睡眠薬の内服量も減っています。夜がぐっす
り眠れて家族にも笑顔がもどっていました。

アロマ・マッサージ

乳ガンの術後や、子宮・卵巣ガン術後のリンパ浮腫は現代医療で解
決できず、辛い思いをされている方々が漢方治療とアロマセラピー
のマッサージを併用することで効果をあげている例もあります。そ
の時のマッサージオイル(リンパの流れを良くしたり、血行を良く
したりする精油)には、ご本人の好きな香りを選びます。「命があ
ったからいい」・・だけではなく、やはり病気を克服した自分の身
体で日々楽しい毎日を送っていただきたいと思います。

これからのアロマセラピー

日本の医療現場でのアロマセラピーは始まったばかり・・・。臨床
では、まだまだ暗中模索・試行錯誤の中で行われているのが現状で
すが、精神科や心療内科の分野、アトピー性皮膚炎をはじめとする
皮膚科領域、末期がん患者さんへのアロマセラピーも科学的な解明
も合わせて行われはじめています。
 医療に携わる者として、何とか目の前の人の力になってあげたい
・・・と考えるとき、たくさんの選択肢を持つことがこれから必要
になって来ていることを実感している昨今です。確かな情報を多く
の方々に知って頂いて、今後の治療の一つの選択肢になる事を期待
しています。

寄稿 高津 尚子(たかつ ひさこ)
     
梅沢医院 心療内科
日本アロマセラピー学会認定医


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発行元:日本家庭医学普及協議会 九州支部事務局
 メール:info@mesima.gr.jp
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